3/15(金)今朝の産経新聞朝刊に、カトリック中央協議会の呼称に従って
新法王フランチェスコ1世をこれからはフランシスコ1世と表記すると記載されていました。
昨日の記事で「ローマ法王」と「ローマ教皇」どちらが正しい?にも書きました。
カトリック中央協議会は、
「教皇と呼ぶと決めたのでマスコミ各社にお願いしているが、いまなお法王が使われ残念ながら実現していません」
なぜかというと、バチカン大使館は「ローマ法王庁大使館」となっているから。
日本とバチカン(ローマ法王庁つまりローマ教皇庁)が外交関係を樹立した当時の定訳は「法王」だったため、ローマ教皇庁がその名称で日本政府に申請。
日本政府に登録した国名は、実際に政変が起きて国名が変わるなどしない限り変更できないのだそうです。
「こうしていまでも「法王」と「教皇」が混用されているのです
皆様には、「教皇」を使っていただくよう、お願いする次第です」
法王と教皇がイコールなのはよくわかりました。
しかし名前がラテン語表記か、英語表記かによって別人のごとく変わります。
キリスト教徒でなければ一般常識としてもそれほど知られていないように思えます。
かつて2007年1月にスペインのサンチャゴコンポステーラへ行きました。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)
サンテャーゴ(Santiago)はスペイン語の聖ヤーゴ(Sant Yago)。
そこからディエゴ(Diego)と言うスペイン語の伝統的な名前がでてるそうです。
ラテン語Jacobus(ヤコブス)から聖書表記Jacob(ヤコブ)
英語では Jacob(ジェイコブ) James(ジェームズ)
ヤコブとジェイムスが一緒だったなんて知らんかった…。
バチカン市国の国旗Image may be NSFW.
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紋章Image may be NSFW.
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最初の画像はバチカンの教皇紋です。
教皇はまた独自の紋章を持っています。
基本的な構成はほぼ同じで、
交差して組まれた金と銀の鍵、三重冠、赤い組紐は必ず描かれてきました。
使徒聖ペトロがキリストによって初代教皇に任じられる際に、
天国の鍵を与えられた歴史的事実に基づくものだそうです。
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「聖ペテロへの天国の鍵の授与」 ベルジーノ
金の鍵は天上の鍵であり、宗教的な権威を
銀の鍵は地上の鍵であり、現世的な権威を示します。
このことは「マタイの福音書16:18-19」イエスのペトロに対する言葉に由来します。
「シモン・バル・ヨナ。お前は祝福されたものだ。このことは血と肉によってではなく天におられる父によって示されている。わたしは言う、おまえは岩(ペトロ)である。この岩の上に私の教会をたてよう。死の力もこれに勝つことはできない。わたしは天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐものは天でもつながれ、地上で解くものは天でも解かれるのである。」
おまえはペトロ(=岩)
ペトロの墓と伝えられる場所にはバチカンの聖ペトロの大聖堂(サンピエトロ大聖堂)が建てられています。
ペトロはイタリア語でピエトロ、英語ならピーター、ロシア語ならピョートルです。
わたしは天の国の鍵を授ける
イエスから「天国の鍵」を与えられた重要人物ペトロは、キリスト西洋絵画で鍵を手にした人物として描かれます。
ただし多くの場合ペテロは鍵を2つ持っています。
「金の鍵(天国の鍵)」と「銀の鍵(地獄の鍵)」
これは後世になって「天国の鍵が与えられたなら同時に地獄の鍵も与えられたんだろう」と一般的に考えられたから らしいです。
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ルーベンスの描いた初代教皇ペトロ
先の記事でベネディクト16世の教皇紋章が発表された時、その筋の人たちは皆驚いたと書きました。
どこが違うのか調べたので興味ある方は以下ご覧下さい。
ベネディクト16世の教皇紋章
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ムーア人の頭と荷を負った熊とは聖下にゆかりの深いフライジング教区に由来。
ホタテ貝と思われる貝殻は聖アウグスティノの故事と、聖ヤコブ巡礼のトレードマークであることから前教皇ヨハネ・パウロ2世の巡歴の生涯とを記念するもの。
サポーターは交差する金銀の鍵は教皇紋章の伝統に沿っている。
楯の上部の冠、これが大きく異なる点です。
教皇が三重冠をかぶる伝統は、今から40年ほど前に教皇パウロ6世によって廃止されました。
しかし教皇位を示すシンボルとして紋章には描かれ続けられた。
これが、ベネディクト16世の紋章では通常の司教と同じ司教冠に。
三本の装飾が入っており三重冠を想起させるものの、教皇に特異的な冠でなく司教と同じ形の冠を選んだ ということ。
もうひとつの興味深い点は、装飾としてパリウムが描き込まれたこと。
パリウムとは司教が着用するY字型の帯で、古くは司教叙階の際に司教位のシンボルのひとつとして授与されたものである。
これらのことから、ベネディクト16世の紋章は、唯一最高の権威者、キリストの代理者である教皇としてよりも、使徒たちの後継者である司教団の頭、第一位の司教としてのローマ司教(=教皇)という意味を強調したかったのだと考えることができるのだそうです。
そして次のフランシスコ1世はどんな紋章を使われるのか
その奥にどんな思いをこめられるのか注視したいと思います。
イエズス会の紋章Image may be NSFW.
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新法王フランチェスコ1世をこれからはフランシスコ1世と表記すると記載されていました。
昨日の記事で「ローマ法王」と「ローマ教皇」どちらが正しい?にも書きました。
カトリック中央協議会は、
「教皇と呼ぶと決めたのでマスコミ各社にお願いしているが、いまなお法王が使われ残念ながら実現していません」
なぜかというと、バチカン大使館は「ローマ法王庁大使館」となっているから。
日本とバチカン(ローマ法王庁つまりローマ教皇庁)が外交関係を樹立した当時の定訳は「法王」だったため、ローマ教皇庁がその名称で日本政府に申請。
日本政府に登録した国名は、実際に政変が起きて国名が変わるなどしない限り変更できないのだそうです。
「こうしていまでも「法王」と「教皇」が混用されているのです
皆様には、「教皇」を使っていただくよう、お願いする次第です」
法王と教皇がイコールなのはよくわかりました。
しかし名前がラテン語表記か、英語表記かによって別人のごとく変わります。
キリスト教徒でなければ一般常識としてもそれほど知られていないように思えます。
かつて2007年1月にスペインのサンチャゴコンポステーラへ行きました。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)
サンテャーゴ(Santiago)はスペイン語の聖ヤーゴ(Sant Yago)。
そこからディエゴ(Diego)と言うスペイン語の伝統的な名前がでてるそうです。
ラテン語Jacobus(ヤコブス)から聖書表記Jacob(ヤコブ)
英語では Jacob(ジェイコブ) James(ジェームズ)
ヤコブとジェイムスが一緒だったなんて知らんかった…。
バチカン市国の国旗Image may be NSFW.
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最初の画像はバチカンの教皇紋です。
教皇はまた独自の紋章を持っています。
基本的な構成はほぼ同じで、
交差して組まれた金と銀の鍵、三重冠、赤い組紐は必ず描かれてきました。
使徒聖ペトロがキリストによって初代教皇に任じられる際に、
天国の鍵を与えられた歴史的事実に基づくものだそうです。
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「聖ペテロへの天国の鍵の授与」 ベルジーノ
金の鍵は天上の鍵であり、宗教的な権威を
銀の鍵は地上の鍵であり、現世的な権威を示します。
このことは「マタイの福音書16:18-19」イエスのペトロに対する言葉に由来します。
「シモン・バル・ヨナ。お前は祝福されたものだ。このことは血と肉によってではなく天におられる父によって示されている。わたしは言う、おまえは岩(ペトロ)である。この岩の上に私の教会をたてよう。死の力もこれに勝つことはできない。わたしは天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐものは天でもつながれ、地上で解くものは天でも解かれるのである。」
おまえはペトロ(=岩)
ペトロの墓と伝えられる場所にはバチカンの聖ペトロの大聖堂(サンピエトロ大聖堂)が建てられています。
ペトロはイタリア語でピエトロ、英語ならピーター、ロシア語ならピョートルです。
わたしは天の国の鍵を授ける
イエスから「天国の鍵」を与えられた重要人物ペトロは、キリスト西洋絵画で鍵を手にした人物として描かれます。
ただし多くの場合ペテロは鍵を2つ持っています。
「金の鍵(天国の鍵)」と「銀の鍵(地獄の鍵)」
これは後世になって「天国の鍵が与えられたなら同時に地獄の鍵も与えられたんだろう」と一般的に考えられたから らしいです。
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ルーベンスの描いた初代教皇ペトロ
先の記事でベネディクト16世の教皇紋章が発表された時、その筋の人たちは皆驚いたと書きました。
どこが違うのか調べたので興味ある方は以下ご覧下さい。
ベネディクト16世の教皇紋章
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ムーア人の頭と荷を負った熊とは聖下にゆかりの深いフライジング教区に由来。
ホタテ貝と思われる貝殻は聖アウグスティノの故事と、聖ヤコブ巡礼のトレードマークであることから前教皇ヨハネ・パウロ2世の巡歴の生涯とを記念するもの。
サポーターは交差する金銀の鍵は教皇紋章の伝統に沿っている。
楯の上部の冠、これが大きく異なる点です。
教皇が三重冠をかぶる伝統は、今から40年ほど前に教皇パウロ6世によって廃止されました。
しかし教皇位を示すシンボルとして紋章には描かれ続けられた。
これが、ベネディクト16世の紋章では通常の司教と同じ司教冠に。
三本の装飾が入っており三重冠を想起させるものの、教皇に特異的な冠でなく司教と同じ形の冠を選んだ ということ。
もうひとつの興味深い点は、装飾としてパリウムが描き込まれたこと。
パリウムとは司教が着用するY字型の帯で、古くは司教叙階の際に司教位のシンボルのひとつとして授与されたものである。
これらのことから、ベネディクト16世の紋章は、唯一最高の権威者、キリストの代理者である教皇としてよりも、使徒たちの後継者である司教団の頭、第一位の司教としてのローマ司教(=教皇)という意味を強調したかったのだと考えることができるのだそうです。
そして次のフランシスコ1世はどんな紋章を使われるのか
その奥にどんな思いをこめられるのか注視したいと思います。
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