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Channel: 秋麗(あきうらら)
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虎渓三笑 

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昨日、ボストン美術館展で見た作品の中で、印象に残ったもの
というか、見ただけでつられて笑ってしまったものがあります。


虎渓三笑図屏風 こけいさんしょうずびょうぶ
曽我蕭白筆


2曲1隻 紙本墨画 / 縦150.3 横175.4
江戸時代・18世紀後半

廬山に隠棲した東晋の僧慧遠のもとを訪れた陶淵明と陸修静。
話に夢中になった慧遠が、俗世に通ずるとして渡らぬと決めた橋を越えたことに気付いて3人で大笑した場面が描かれる。
蕭白にはめずらしく穏やかな画風がうかがえる楽しげな作品。




虎渓三笑 
意気投合して談笑するのを楽しむことわざです。

話が佳境に入り夢中で話し込んでいると、
思わず時の経つのも忘れ、自分たちのいる場所もわからなくなってしまうことがありますよね。

出典は「盧山記」
儒、仏、道の三賢者が一同に合して話をしたところ、お互いにつきない興味を感じ、すっかり夢中になってしまったという故事です。

中国での浄土教の開祖である慧遠法師は来客を送る際、精舎の下の虎渓という谷川のところで足をとめ、そこを渡ることをしない戒律を守っていました。
ところが詩人の陶淵明と動家の大家である陸修静が来訪して、
三者でそれぞれの専門分野について話し合ったとき、さすがに興が乗じて、
慧遠法師は思わず「安呉禁足の掟」に従わず、虎渓を越えてしまい、虎のほえる声を開いて、初めてそれに気づいて、三人とも大笑い!
この三人の談笑して歩く姿と谷川の水の流れは、古い中国の掛け軸の画題として大変よく使われています。



ところで、右下に蕭白の落款の字が見えるでしょうか。
他の蕭白の作品も絵は迫力あるのに、字はへたくそだなぁ〜と思ってみてました。


調べてみると、こんなことがわかりました。

曾我蕭白は18世紀の京都の画家。
この頃の京都の画壇には、蕭白のほかに、応挙、若冲、蕪村、大雅などもいた。

応挙や蕪村は「知識人」、若冲は「ブルジョア」だったけれども、
蕭白はそんなに育ちが良かったわけではないらしい。
出自には相当なコンプレックスがあったらしく
落款に、明王朝太祖の子孫だとか藤原鎌足の子孫だとか出鱈目を平気で書いたとか。

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