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Channel: 秋麗(あきうらら)
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茶道具のなつめと茶入れの違いは

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御室焼 油屋肩衝:名物写し茶入★仕覆:古代名物裂
新古品としてオークション出品中のお品です。



先日、ナツメとナツメヤシについて記事書いてて、抹茶の漆器入れ物も「棗 なつめ」といったなと思い出してました。

客として抹茶をよばれることはあっても、自らお茶をたててもてなすこともう長いことないのですっかり忘れてました。

茶道具のなつめは薄茶用の容器で、濃茶が茶入れです。
昔は、濃茶に使われる抹茶は苦みや渋みが少ない上級品で、薄茶は濃茶よりも一段低い抹茶が使われていることから、薄茶は「濃茶のお供」として低く扱われていました。
正式な茶事では濃茶の後に薄茶という順番です。

時代が経つにつれ、薄茶だけがふるまわれる「茶会」が開かれるようにもなり、薄茶が独立して扱われるようになりました。


戦国大名の時代に広まった茶道、お茶会ですが、茶室でこっそり内緒話の場でもあったのでしょう。
それにしても時代劇を見てると、高級茶器がよく登場します。

それには理由があったことを、今頃になって知りました。

武家社会が成立した鎌倉時代、戦で功績を挙げた御家人には恩賞として土地が与えられます。
ところが土地は限りがあるので恩賞として土地がなくなっていく。
そこで、土地の代わりに恩賞として与えられるようになったのが、当時武士の間で盛んになっていた茶道の道具である茶碗や茶入だったのでした。
国や土地と同価値があるものとして、同時に格式高い道具として、茶道具はステータスを築いていたのでした。


油屋肩衝(あぶらやかたつき)茶入は、
肩は水平に伸びて、胴・腰に至る曲線は優美で品格の高い器形です。
肩の部分が角ばった「肩衝」他には、リンゴのように丸い「文琳」、下膨れで口が細い「茄子」など。

堺の町衆であった油屋常言・常祐父子が所持したことからこの銘を得たもので、古来大名物茶入中の首位として尊重された唐物肩衝の茶入のひとつ。


いっぽう、なつめ、
カジュアルな薄茶に格式高い茶入は不釣り合いであることから、主に木製の入れ物が使われるようになったとか。
なつめの形に似てるから「なつめ」という説。
薬の入れ物だったなつめが、薄茶の粉を入れる容器となったという説もどこかで見たことあります。

なつめが漢方薬で大事な生薬だったということからすると、
元は薬の入れ物だったに 一票!


神仙思想とともに日本にもたらされ、古代の遺跡群からナツメの種子が出土してるというのも、さもありなんですね。


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