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Channel: 秋麗(あきうらら)
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大乗寺の円山応挙による立体曼荼羅

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兵庫県美方郡香美町、国立公園山陰海岸に位置する大乗寺の
山門入ってすぐ左手の樹齢1200年の大楠です。
ものすごく風格ありました。







石の階段を登り山門をくぐると、緑に囲まれた山門・客殿・本堂・薬師堂・鐘楼があります。



山門正面に客殿があるのでそのまま吸い込まれるようにその入口へ。
結局、円山応挙とその一門の襖絵見ただけで、本堂や薬師堂にお参りしなかった。
美術館へ行ったような…。


客殿の低い戸口上、なんか意味ありげな飾り物。



ここから入場料800円が必要で、写真撮影が許可されていません。

大乗寺のサイトでバーチャルツアーデジタルミュージアムをご覧いただけます。



「これらの貴重な文化財をデジタルデータ化することで、多くの皆様にご覧いただけるものと考えております」
と書いてあります。

災害と腐食から保護するための国内最大の収蔵庫が竣工し、
2005年よりデジタル再製画に置き換えられています。
本物は収納庫にあり、気候の安定した春・秋に期間限定で収蔵庫は公開されます。

再製画なら何も撮影禁止にしなくてもいいと思うのは私だけ?

この応挙寺とも言われる大乗寺の存在をこれまで全く知りませんでした。
今回、大枝神社地車隊の会長がココ行こうと提案されなかったら、誰も知らなんだ。
一般庶民にはそれぐらい有名ではないということ。

写真撮影許可されたら、画像とかをネットで公開して、ブログやツィートで広がる可能性もあるのにね。




大乗寺は、天平17年(745年)に行基によって開かれた高野山真言宗のお寺。
江戸中期の画家円山応挙やその一門の画家たちによる襖絵などがたくさんあるので「応挙寺」ともいわれます。

仏間他13余りの部屋の襖絵165点が国の重要文化財に指定されています。



客殿ほぼ中央に仏間があり、木造十一面観音立像の祀られています。
その仏間を囲むようにして、
計算しつくされた配置により、立体的な曼荼羅を構成。
ただ一枚の絵でもなく、一幅のお軸でもなく、ある部屋の一面の襖絵でもなく。
客殿全部の部屋で構成された宗教的空間。
見事なプロデュースです。

去年5月にルーマニアで見学したペレシュ城はすばらしかった。
しかしこの大乗寺客殿全部をつかった立体曼荼羅のようなものではない。
日本人ってすごいなぁ〜とあたらめて感心しました。


●東「農業の間」…「四季耕作図」で農作業の情景を描くことにより経済を司る持国天
●西「山水の間」…山川草木を描き自然の摂理を表現することにより芸術を司る広目天
●南「芭蕉の間」…優れた政治家で長寿でもあった「郭子儀図」を描いて政治を司る増長天
●北「仙人の間」…「群仙図」を描いて不老長寿から医薬を司る多聞天


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